住所がわからない不倫相手から慰謝料の支払いを受けたケース
- 2017年10月20日
- その他事件の事例, 家族・親族間問題の事例
【事案の内容】
千葉県千葉市内にお住まいの30歳代女性からの法律相談です。
夫とは10年前に結婚し,男の子をひとり授かりました。
法律相談の当時,その男の子は5歳でした。
従前は御相談者の話をよく聞いていた夫が,急に態度を豹変させ,冷たくなり,離婚を申し入れてきました。
急激な態度の変化に気持ちの整理がつかない御相談者は,離婚の件をペンディングにしたまま,様子を見ることにしました。
ある日,夫の入浴中に,夫のスマートフォンを確認したところ,LINEで女性と頻繁にやり取りしていることが明らかになりました。
その後,探偵事務所に依頼し,素行調査したところ,夫は,水商売(キャバクラ)の女性と懇意になっていたことが明らかになりました。
探偵からの調査報告書を動かぬ証拠として,夫に突きつけ,すべてを正直に話すように言うと,夫は,女性とはお店(キャバクラ)で会うことが多く,店外で会ったことはほとんどないこと,その女性に対し,経済的な援助をしていること,店外で会ったときに肉体関係を持ったこと等を話しました。
経済的な援助の金額は,その時点で,約200万円に達していました。
御相談者は,夫が援助した約200万円のほか,探偵費用や弁護士費用を合わせて,慰謝料として300万円を不倫相手の女性に支払って欲しいとの法律相談でした。
通常,慰謝料請求する際は,まず,相手の方に,通知文を内容証明郵便で送り,その後,話合いで解決するか,話合いの余地がなければ法的手続をとることになります。
通知文を送るには,相手の方の住所が明らかになっていなければなりません。
本件では,御相談者は,夫の不倫相手の女性の住所を知りませんでした。
また,夫は,一度,出勤前に自宅に迎えに行ったことがあるが,住所はわからないと話しているとのことでした。
そこで,まずは,不倫相手の住所を確定する必要がありました。
【事案の解決】
本件では夫が心を入れ替え,御相談者に協力的でした。
そこで,一度不倫相手の自宅に行ったことのある夫にインターネットの地図サイトを使って,不倫相手の住所地を確認した上で,実際にその住所地に行って確認してもらいました。
その結果,不倫相手の女性の住所地を特定することができました。
住所地が特定できたので,通知文を内容証明郵便で送りました。
その後,不倫相手の女性から県民合同法律会計事務所に電話連絡があり,慰謝料を支払う意思はないと伝えられました。
そこで,慰謝料請求訴訟を提起し,約1年の審理の結果,不倫相手の女性に対し,100万円を支払えとの判決を頂きました。
【弁護士のコメント】
不倫を理由とする損害賠償で一番難しいのは,不倫の事実を証明する証拠を入手することです。
次に難しいのが,不倫相手の住所や名前等個人情報を取得することです。
慰謝料請求の通知文を送るにしても,不倫相手の名前と住所がわからなければ送れません。
また,慰謝料請求訴訟を提起するにしても,不倫相手の名前と住所がわからなければ提起することはできません。
せっかく不倫の証拠を手に入れたとしても,不倫相手の名前と住所がわからなければ,慰謝料を支払わせることはできません。
法律相談の前には,慰謝料を求める相手の名前と住所を確認し,また,証拠をお持ちか確認させていただきます。
不倫関係が法律相談の時点で続いていれば,探偵事務所に依頼して,不倫相手の名前・住所を調べてもらい,不倫の事実が記載された調査報告書を作成してもらうことができます。
もっとも,一般的に,探偵費用は高額です。
そこで,不倫をした配偶者の協力を得て,不倫相手の名前・住所や不倫の事実を明らかにする場合があります。
本件がそのケースでした。
不倫をした配偶者に協力してもらうには,他方配偶者と綿密な打ち合わせを行い,翻意するよう働きかけていく必要があります。
翻意させる働きかけには,経験に基づく深い洞察が必要になります。
県民合同法律会計事務所は,設立から約35年以上,千葉県の皆様に法律相談を頂いてまいりました。
この間,培われた経験やノウハウは,きっと皆様のお役に立つはずです。
不倫相手の住所がわからずにお悩みの方,ぜひ法律相談をご予約ください。