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損害賠償請求事件(飼い犬による咬みつき事件)


◆ 事件の内容

(1)相談者は,スポーツ施設の敷地内において,その施設の運営会社が飼っている鎖に繋がれた大型犬に,鶏の唐揚げをあげていたところ,この様子を見ていた他の子どもが大型犬をなでようとして手を出したため,突然,大型犬が子どもの手に咬みついたため,相談者がその子どもを心配し,「大丈夫?」と声をかけながら横を向いたところ,突如,大型犬が相談者に咬みつき,相談者が「右頬部犬咬傷」「右胸部擦過傷」の傷害を受けたという事件の法律相談でした。

(2)なお,大型犬は,鎖に繋がれているものの,ある程度動くことは出来る状態であり,また,その施設を訪れる人たちが,撫でたり触ったりすることができる状態で飼われていました。

(3)なお,この犬は,過去にも2回程,人を咬んだ経緯があるということでした。

 

◆ 事件の解決

(1)本件は,飼い主にも過失はあるものの,相談者にも過失を考えざるを得ない事件でした。

(2)そのため,施設運営会社の代表者に対し,相談者の受けた「傷病名」「治療状況」を記載し,損害として「治療費」と「慰謝料」,「休業損害」を計算して,内容証明郵便で損害の請求をしました。

(3)被害者(相談者)がスナックを経営している女性であったことから,約半年から1年後に顔の形成手術をせざるを得なかったことから,その費用も加算しました。

(4)結局,治療費2万8000円,慰謝料36万円,休業損害(日額の23日分)34万円の合計72万円8000円に形成手術台及びその際の休業費約16万円を加算して,約89万円の請求をしました。

(5)何度か相手方と交渉が行われ,相談者も過失を認めざるを得なかったことから,最終的には,約7割に相当する53万6000円の賠償をしてもらうことで解決しました。

 

◆ 弁護士のコメント

普段比較的おとなしい犬でも,時と場合によっては,咬みついたりすることがあります。

本件は,相談者が犬好きで,餌をあげようとしたところ,子どもが手を出してきたので,犬は餌を取られると思い,子どもに咬みつき,その行動に驚いた相談者が急な動きをしたことから,犬も驚き,攻撃的になったのではないかと推測しました。

飼い主としては,過去に2度も人に咬みついたことのある犬である以上,第三者が安易に接触できないような管理をしていなければ,その犬が咬みついたりして人に怪我を負わせたような場合,飼い主が過失責任を負わされることになるので,注意をして下さい。

しかし,この件は,他人の飼い犬に餌をやるため,善意であったとしても安易に近づいたという相談者側の過失も認めざるを得ない事案でした。