別居時に子どもを夫に引き取られてしまった場合の対処法

◆ 事案の内容

御相談者は,20代の女性です。

10代で夫と結婚し,5歳の男の子を授かりました。

夫のDVに加え,夫が定職に就かず,家計を助けないこと等を理由に離婚したいとお考えでした。

離婚を決意し,夫が外出している隙に別居しようとしましたが,夫にばれてしまい,子どもを連れて行かれてしまいました。

御相談者の法律相談は,夫は,子どもが生まれてからも,育児を手伝ったことがなく,子どもを養育していくことは絶対にできない,子どものことが心配なので,何とか子どもを取り返したい,どうしたらいいかという内容でした。

 

◆ 事案の解決

事情を伺うと,夫は,御相談者との離婚を望んでおらず,やり直したいと考えているとのことでした。

他方,御相談者には,夫との婚姻生活をやり直す気持ちはなく,一日も早く離婚したいとの御意向でした。

御相談者は,離婚はしたいが,子どもの親権者には母親である自分が指定されて,責任をもって子どもを育てていきたいとお考えでした。

子どもが生まれてからずっと,子どもの監護にあたってきたのは御相談者でした。

夫は,気が向いたときに食事を食べさせたり,お風呂に入れたりしていましたが,普段はまったく子育てに関与せず,母親である御相談者にまかせっきりでした。

御相談者は,母乳で育て,離乳食を作り,ごはんの用意をしていました。

1年検診等の検診や予防接種などのために医療機関に連れて行ったのも,御相談者でした。

以上の事情から,子どもの主たる監護者が御相談者であることは明らかでした。

子どもの面倒を見てこなかった夫が,今になって急に子どもの面倒を見ることができるとは到底思えませんでした

そこで,家庭裁判所に対して,監護者の指定及び子の引き渡しを求めて審判を申し立て,審判前の保全処分として子の引き渡しの仮処分を申し立てることをアドバイスさせていただきました。

御相談者は,自分では,アドバイスをもらった監護者の指定や子の引き渡しを求める審判や,審判前の保全処分として子の引き渡しの仮処分を申立てることはできないということで,これらの法的手続について御依頼いただきました。

夫が子どもの面倒を見ることができないことが明らかで,子どもを引き取られてから御依頼いただいた時点で一週間が経過していました。

子どもの身体に危険が迫っていることが明確に予想できましたので,御依頼いただいたその日のうちに,監護者の指定・子の引き渡しの審判及び審判前の保全処分として子の引き渡しの仮処分を申し立てました。

その後,約一週間で,申立人である御相談者について裁判官の審問(面談)が行われ,その約一週間後に相手方である夫について裁判官の審問(面談)が行われました。

夫の審問(面談)の約二週間後,子の監護者を仮に御相談者とするとの審判をいただきました。

この審判に基づき,夫は御相談者に子どもを引き渡し,御相談者のもとに子どもを取り返すことができました。

 

 弁護士のコメント

本件では,迅速な対応が求められました。

御依頼いただいたその日のうちに申立てまで行うには,御依頼者と弁護士だけでなく,弁護士事務所の事務員の協力が不可欠です。

法律事務所の事務員には専門的な知識・技能が求められます。

このような知識・技能は一朝一夕で身につくものではありません。

当事務所は約30年以上の実績のもと,事務員の教育も適宜行い,一定水準以上の専門的知識・技能を確保しております。

迅速に対応することが必要な事件にも十分対応可能です。

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