建物建築の請負代金請求事件


◆ 事件内容

依頼人は建築業者であり,女性の客から建物の建築の注文を受け,請負契約を締結した。

当初,依頼人は,建築許可を受けた後,3ヶ月程度で建物が完成すると判断し,工期を設定した。

しかし,いざ着工してみると,女性から,玄関の位置の変更など,様々な設定変更の要望がなされ,建築が思うように進まず,結局,中途解約されてしまった。

その後,その建物は,他の業者によって工事が行われて完成したが,依頼人はその女性から裁判を起こされ,工事の遅れと,建物が注文通り建築されていない,瑕疵がある等の理由で,合計約2000万円を請求された。

 

◆ 解決内容

当方は,工事の遅れは施主の女性による度重なる設定変更が原因であること,再三の打合せに基づいて合意した上で施工したにもかかわらず,一方的にそのような合意をしていないとされたこと,最終的な工事完成直前に微調整する部分についても,契約を解除されたため,瑕疵の微調整ができなかった等,反論した。

その結果,最終的には,建築業者である当方の依頼人が相手方の女性に対し,150万円を支払うことで,和解が成立した。

 

◆ 弁護士のコメント

建築紛争については,現在,裁判所は,建築に明るい専門委員である一級建築士などに協力を求め,この方々も同席する中で話し合いが進められていく場合が多いです。

そのようなことから,本当に建築の瑕疵なのか,そうでないのか等も浮き彫りになり,一定の時間はかかるものの,最終的には,適正な結論が導き出されることになる,というのが私の体験談です。